最後は内視鏡
何回も輸血をする事になったのには理由がある。
まだ救急救命室でいる頃、一度内視鏡(胃カメラ)で十二指腸の検査をしている。
当然潰瘍は確認されたが、その時の所見では治癒に向かっている、と聞いていた。
ロキソニンでやられた十二指腸は出血も止まり、随分綺麗になりかけていたそうだ。
従って、その後の血液検査での貧血データも、まさか十二指腸からダダ漏れで出血して
いるとは思わず、医師は他の原因を推測していたと言う。
しかし貧血状態を示す値が余りにも良くなったり、悪くなったりを繰り返したので医師から
再度内視鏡で十二指腸の状態を見せて欲しいと言われた。
正直胃カメラなど呑みたくなかったが、確認だけなので直ぐに終わるからと説得された。
喉に麻酔をスプレーされ、口にマウスピースが取り付けられ検査が始まった。
胃カメラと言っても十二指腸を見る訳で、内視鏡を胃の奥深くまで入れられて苦しい。
ようやく到達し、そろそろ確認が出来たかなと思ったころ、「こりゃあかん!」の声がした。
十二指腸潰瘍あとの血管からまとまった出血が確認されているとの事。(5/2)
医師は「このまま処置に入ります」、と言うやいなや確認用の内視鏡を抜いて更に頑丈な
処置用の内視鏡をやわら挿入した。 二度のエヅキを抑えてひたすら耐えたが苦しい。
処置としては出血部分を細かい洗濯挟み状の器具で止めるクランプと呼ばれるモノだ。
挟むたびにカチッと音がする。4回のクランプを含め都合1時間ひたすら処置に耐えた。
ニコンF2 がそのまま胃の中に入っている様で、こんな苦しい思いはもう二度としたくない
と思っていたが、4日後に再び処置結果を確認する内視鏡検査が待っていたのである。
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