医者泣かせの矛盾
今回医師からは、もう少し入院が遅かったら危なかったかも知れないと聞いた。
肝膿瘍は、全く自覚症状が無かっただけに、もし十二指腸からの出血による黒い便が
出ていないか、あるいは確認出来ていなかったら絶対病院に行くのが遅れたはずだ。
病院嫌いの私の事、いつまでも1人で偽ギックリ腰の痛みと戦っていただろう。
その事を思うと正直怖くなる。 入院から8日目に救急救命室から一般病棟に移った。
この頃になっても相変わらず意識レベルが低かった様で、これと言った記憶は無いが
連日39度以上の熱が出ていて家内が氷枕を貰って頻繁に取り替えてくれていたのは
よく覚えている。 やはりこの病気の特徴の1つは「高熱」だったようである。(4/16~)
この頃、私は医師泣かせの難しい治療を行っていた。
血栓が確認されていたので入院当初から「ヘパリン」と言う点滴が投与されていた。
血液をサラサラにする効果がある点滴で血栓を溶かしてしまうのが目的であるが、それ
は逆に血を止めるのを妨げる為、十二指腸潰瘍の治療には逆効果になってしまう。
しかし、血栓も突然死の原因になる事があるとしてヘパリンを止める事もなかった。
実際、潰瘍からの出血が止まり掛けてはまた出血すると言う状態が繰り返された。
出血すると量は意外に多く、極度の貧血状態になるので、そのたびに輸血が行われた。
最終的には1回400ccの血液を都合7回も輸血する結果となってしまった。
今回の私のケースは、まさに医者泣かせの矛盾した病状だったのである。
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