無いモノねだり
よく「無いモノねだり」と言うが、当たり前に出来ていたり、容易に手に入る
時にはさほど欲しないが、出来なくなったり入手が困難になると、急にやって
みたくなったり欲しくなったりすることがある。そんな一つにオヤジは学食の
飯がある。当時は学食以外で食事をすることが、一つのステータスであったが
それでは、仕送りがすぐに無くなってしまう。仕方なく食べていた部分が大き
かったが、そんな学食が何故か懐かしい。値段も良くなったが内容もなかなか
素晴らしいモノになっていると聞くとなおさらだ。最近の学生は贅沢になって
来た様で、学食もそれに合わせて来たのだろう。食事と言えばオヤジも多くの
外食をして来た。工場勤務の時には給食弁当が中心で、今日は何を食べようか
などと考える事は無かったが、外回りの時には大変だった。大概は、出掛ける
場所によって食べる処は決まっていたが、困ったのは初めての場所だ。マンガ
孤独のグルメの主人公、井之頭五郎さんの様に何処でも平気で飛び込んで行け
ない臆病なオヤジであった。そんなときに助かったのは、国鉄時代の管理局や
市役所や県庁などの食堂だった。安価で、そこそこの食事が出来たものだった。
ただ、入場制限などがあったが、旧国鉄にはディーゼル機関車のラジエーター
用の防錆剤納入などの関係から「業態登録」と言うのが出来ていて、入場する
許可証があった。そのために格安で食券が買えたり、当時ビックリするぐらい
何でもモノが安かった「物資部」などが利用できた。俗に言う「役得」と言う
ヤツだが、今思えば懐かしき良き時代だった。叶うなら無いモノねだりしたい。
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