レバーの串刺し
肝臓は「沈黙の臓器」とはよく言ったモノで、その時の私には腰の痛み以外全く自覚症状
は無かった。病名は俗に言う「感染症」、腰の痛みの原因は背骨の両側にある「腸腰筋」
(ちょうようきん)と言う筋肉の右部に肝臓と同様の膿が取り付いた事によるものだった。
正式病名は「肝膿瘍」と「腸腰筋膿瘍」による「敗血症」、 更にこれに黒い便の原因である
「十二指腸潰瘍」が加わると言う診断だった。 おまけにCT撮影で血栓が2つ見つかった。
エコノミー症候群で出来る様な血栓との事、 思い当たるのはニトリの椅子上での生活だ。
肝臓の緊急手術は入院したその日にすぐ行われた。(4/9)
手術はドレナージと呼ばれるもので膿が貯まっている部分をX線で確認しながらお腹から
膿抜きの針を差し込む。 お腹の表面に簡単な麻酔を注射しただけで針を差し込むので
痛みはさほど無かったが、針がお腹の奥深く入っていく感覚は何とも言えない気持ち悪い
モノであった。 結果、私の肝臓には都合3本の針が差し込まれた。
針の先にはビニルのチューブが付き、膿を溜める袋へとつながっている仕組みだ。
ドレナージしてから2日間ぐらいはこの袋に1日250ccぐらいの膿が溜まったそうである。
自覚症状も出さずに何処にそれだけの膿が溜まっていたのか本当に不思議でならない。
手術後には尿管、更に鼻には酸素管が取り付けられ、点滴の管を含めると私の体の周り
は管だらけで身動きもままならない状態になってしまった。
こんな状態のまま救急救命室で約1週間を過ごした。
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