リハビリって不思議
リハビリが始まった。
赤十字病院は重症患者優先で、メインの病気が終息した時にリハビリが出来ていないと
リハビリ専門科のある他の病院に転院しなくてはならない、と言う話を聞いた。
そんな事になっては大変とガンバって始めはしたモノの長い間寝たきりだった体は全くと
言ってよいほど言うことを聞かない。いつの間にか筋肉と言う筋肉は落ちて、入院前には
75kgあった体重は57kgまで減っていた。
足のマッサージを経て、最初はベッドから起きあがる練習から始まった。
腰の痛みに加え腹筋が無くなっているのと起き方を忘れているのが重なり四苦八苦する。
最初は腕の力で起き何とかベッドに腰を掛ける事が出来たが手すりから手を離すと腰が
フラついてそのまま何処かに倒れてしまいそうでとても怖い。
天井ばかり眺めていたせいか、窓越しに見える小松島の港風景にも焦点が合わない。
一時はもうこのまま二度と立ち上がる事も歩く事も出来ないのではないかと不安になる。
もっと高齢の方もガンバっている、61歳なんか若い若いと看護師から叱咤激励され連日
の訓練を消化して行った結果いつしか自然にベッドから起き、座れる様になって来た。
手放しでもフラつく事はなくなり、懐かしい港風景にも焦点が合うようになった。
それに伴って腰の痛みが少しずつ消えていくのが実感出来た。
医師の言っていた、痛くても我慢して動けとはこの事だったのだとその頃になって判った。
リハビリとは本当に不思議なモノである。
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