感動のリハビリ
毎日少しずつの繰り返し訓練が成果を見せ始めた頃、次のステップに移った。
歩行器を利用し、ベッドから立ち上がる訓練だった。歩行器に寄り掛かって腕の力だけを
利用して何とか体を持ち上げたが、足がフラフラで歩行器から腕が離せない。
脚力ってこんなにも衰えるモノなのか、と感心する一方で自分が悔しくもあった。
腰に負担を掛けない様、寝ている時は立て膝をしている事が多く足はいつも目に入る。
着替えの時などに見る素足は極めて貧相な、太股ならぬ細股になっていた。
ズボンを買う時、ウエストが合えば太股が入らなかった足は何処に消えたのだろうか?
同じ訓練が続けられたが、満足な立ち上がり方と手放しがなかなか出来なかった。
しかし、その日は突然やって来た。 手を離しても自分の足だけでしっかりと立っている。
この時、うっすらと涙が出てとても感動した事を今でもハッキリと覚えている。
その後のリハビリは順調だった。いつしか腰の痛みも弱くなり自分の足で歩ける様になる
までにさほど時間は掛からなかったが、この時も再び大いに感動し嬉しかった。
この頃、血液検査の結果でも腰の炎症反応が無くなっている事が確認された。
長かったがそろそろ退院が見えて来た様である。
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