我があゆみ歴記18
約2ヶ月に渡る研修もいよいよ終わりの時を迎えた。
研修の最終日には大打ち上げパーティが行われ、そこで2ヶ月に渡る禁酒令も解かれる。
打ち上げを前に研修生には赴任先の発表があり、その時各自に徳島から赴任地までの
キップが手渡されパーティーが終わった翌日には研修所をあとにする事になっていた。
私はちょうどこの時、卒業式で名古屋に帰っており残念ながら打ち上げには参加する事
は出来なかった。 会社からは卒業式のあとで、赴任地確認のため電話を入れる様に言
われていたので、何処に配属されるかドキドキしながら徳島に電話を入れた。
あ~!貴方はそのままそこに居て月曜日に名古屋支店に出社しなさいとの答えだった。
名古屋を離れなくても良い、と言う嬉しさがこみ上げて来たが、当日は春日井アマチュア
無線クラブでの送別会が予定されており、何ともバツの悪い事になってしまった。
結局、クラブの送別会は私の就職祝いにタイトルを変えて開いて貰ったのを思い出す。
月曜日の朝、支店に出社した。 そこで名古屋に赴任した研修仲間達とも再会した。
名古屋支店のビルにはグループの会社も入っているので、研修の最初の頃に出会った
懐かしい顔も何人かいたが、最後まで研修を共にした化学品課の仲間7名は東京支店
に3名、大阪営業所に3名配属され、名古屋支店の化学品課は私一人であった。
研修では後々まで語りつがれるれる様な逸話がいくつか生まれた。
世間知らずの東北出身の男は、南国徳島は暖かいだろうと 2月の研修に海水パンツを
持参して来た。それまで県外に出た事がなかったそうであるが、みんなで大いに笑った。
九州出身の男は、当時の常務取締役営業部長と連れションをした時に、便器越しに隣り
を覗き込んで「常務のモノは小さかとですね?」と言ったそうで、常務は気にはしながらも
大したヤツだと思ったそうである。 結局この2人はそののちに役員さんまで出世をしたと
聞いた。やはりただ者ではなかった様である。
はたして、名古屋支店で私の社会人としての第1歩が始まったのである。 (つづく)
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