石取り闘病記⑤
ここで手術の状況を細かくお話する事が出来ない。
何故なら安定剤が良く効いて手術中はぐっすり眠ってしまっていたからだ。
安定剤は、酒をよく呑む人や、体質によってはその効果が期待出来ないと聞いていた。
私は最近、昔と比べるとお酒が少し飲める様になり、量も種類も増えていたので心配した
が、私の酒量など麻酔効果を変えてしまう迄には至っていなかった様である。
内視鏡用のマウスピースを取り付けられたところ迄は覚えていたが次に気付いた時には
すでに病室のベッドの上であったのは、この上ない幸せとしか言い様がない。
お陰で内視鏡が総胆管を移動する時の痛みは全く知らずに終わる事が出来たのである。
病室に帰ってからも暫くの間は薬の影響でフワフワした気持ちのよい感覚が続いた。
飯代わりの点滴は相変わらず続き、それに加えて術後の血液検査が増えて私の右腕は
注射針の影響ですっかりその色を変えてしまった。
夜が来て、安定剤が醒めて少しだけ痛みが来た。 内視鏡が総胆管を少し傷付けている
影響なのだろう。 石が無いので痛みは強烈なモノではないが、鈍い痛みが背中を走る。
しかしながらこの程度の痛みは疝痛の時とは比べモノにはならない。
これも日にち薬で解消されて行くのだろうと思うと、手術の成功が素直に嬉しかった。
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