我があゆみ歴記24
アンプル加工機の取り替えと改良に伴う工事は、しばらくの間続いた。
これまで、大阪工場の機械製作のスタッフと言って来たが、実はそんな専門の部も社員も
存在せず、アンプル製造スタッフのほとんどが機械関係の仕事も見事こなした訳である。
アンプルの生産をストップさせず、大量の注文を抱えながらの工事は、正直なところ厳しい
モノがあったが、全員で協力し合い、交代でそれぞれの任務を全うした。
彼らの改良アイデアは素晴らしく、考案したアンプルの加工機は、生地管が流れる無駄な
時間を利用して別の仕事をさせ、市販機の2倍の数の生産が出来る能力を持っていた。
この機械の製作では当時社長賞を貰った。私もこの時期に物の流れと動きに伴った自動
制御の基礎をずいぶん勉強させて貰う事になった。
私は、電気系統の故障やメンテナンスなどでも時々現場に呼び出しを受ける事があったが
加工用 ガスバーナーの熱の影響で、2階の工場内は冬間でも30℃、夏間には何と50℃
にもなる温度環境に、すぐヘロヘロになってしまい、本当に参った降参!であった。
こんな環境の中でも長年勤務を続けて来られた現場の方々には本当に頭が下がる。
その内アンプル加工機の工事も終わり、それに伴う私の仕事もめっきり少なくなって来た。
そんなある日、私は仕事で日本橋に行った帰りに衝動買いをして、その当時お目見えして
来たパソコンと言うモノを1台買ってしまった。 シャープのMZ-80と言う機種である。
クリーンコンピュータと呼ばれ、入れる頭脳によって、マシン語からBASICまで色々な形で
使える機種であり、遊ぶには面白いと思い買った。
私は、これをアマチュア無線関係に使う予定だったが、その日自宅に持ち帰る前に工場長
に見つかってしまい、その結果少々困った事になってしまうのである。 (つづく)
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