若き日の想い出③
もったいぶった訳では無いが、色々と書いている内に本題が遅くなってしまった。
名古屋駅に出るため通路階段を上がろうとしたが、明らかに人の動きが止まっている。
止まっていると言うよりも止められている感じであったが、標識も案内も何も無かった。
よく見ると、無精髭をはやしたお兄さん2人が上がり口付近で「とうせんぼ」をしていたが
何故止めているかの説明もしないまま、ただチョット待って下さいの一点張りだ。
当時のオヤジは気が短く(今も短いが当時はもっと短かった)段々イライラして来た。
警察の様な拘束力も強制力も無い様な状態の制止には耐えきれず、「忙しいんじゃ!」
と言うなり制止を振り切り階段を一気に駆け上がって外に出た。
と、同時に黒服の男数人が私の目の前を慌ただしく走り過ぎた。 手には拳銃を持って
いる。 私はすぐに状況が呑み込めなかったが、咄嗟に「ヤバイ」と思い一瞬身構えた。
次の瞬間、「カット!」と言う大きな声が駅前広場に響いた。
もう既にお判りだと思うが、私は映画ロケのまっただ中に飛び込んでしまったのである。
それならそれで下で説明をしてくれたらよかったのにと思ったが、迷惑を掛けてしまった
のは事実だ。 監督さんと思われる方から少しお叱りを受けたが、その時後ろの方から
「休憩!休憩!」の声が掛かった。
コメント