天竺は遠かった⑤
ところ変われば何とかで、地酒やタバコ、コーヒーの味などは、世界中で随分違う。
特に嗜好品は、その国独特のモノが存在するので、なかなか興味深い。
皆さんよくご存じの、東南アジア各地の嗜好品に「檳榔(ビンロウ)」と言うモノがある。
手の指先第一関節までほどの大きさのヤシ科の実、檳榔に少量の石灰を挟んでキンマ
と言うコショウ科の植物の葉に包んで、噛みタバコの様に口に入れる。
しばらく噛んでいると、唾液と反応して口の中が真っ赤になって来る。
彼らは、お行儀悪くこれを道端に吐き出す為、路上に血を吐いた後のような汚れを見掛け
られた経験をお持ちの方も多いのではないだろうか?
今回インドで更にスペシャリティなビンロウのスタイルを見学する事が出来たので、画像と
共に紹介してみたい。インドでは「パン」と呼ばれ、キンマの葉にビンロウを包むスタイルは
同じであるが塗布するモノ、トッピングする材料が極めて多く、しかもどれもみな妖しい。
これらの材料が、合法なのが違法なモノなのかも全く判らない様なシロモノである。
食べたら気分が高揚したり、覚醒作用や軽い酩酊状態があると言うのだから、決して良い
モノではない様な気がする。 愛用する人らを良くないヤカラと見ている人達もいる様だ。
また、ビンロウの愛好者は、舌ガンなどの発生率が高くなる事が報告されているとも聞く。
写真を撮っていたらインド人から、一度試食をする様に執拗に勧められたが決してこれに
は、応じなかった事は改めて言う迄もない。
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