天竺は遠かった④
翌日からインドでの仕事が始まった。
中国と違ってインドの化学工業は一部の地域に工場が集中して存在している。
特に有機合成の工場はインドの西地区、ムンバイから沿岸沿いに北上した地域に多い。
地域名で言うとグジャラート州と言う地域で、この州は宗教的に禁酒地区になっている。
酒を提供する店が無く、酒好きの外国人が旅行すると結構苦労すると言う話しも聞く。
初日の目的地はムンバイから車で、北に200km程にあるグジャラート州の街だった。
インドの道路事情は中国と比べるとかなり遅れている。
10年ほど前は、インドも中国も道路事情には大差が無かった様に記憶しているが、この
10年で中国の道路整備は目を見張るほど発達し、今もなお拡大を続けている。
それに比べるとインドは、車の台数が異常に増加しただけの様に感じられる。
有料道路はあるが、お世辞にも高速道路と呼べる様な道では無く、一般道のレベルだ。
そのくせ化学工場が集中しているために、一般のコンテナ、ISOコンテナ、トラックなどの
原材料と製品を輸送する関係の車で道路は、早朝から深夜まで大渋滞である。
朝の6時にホテルを出発し、工場に行って商談し、ホテルに帰ったのは夜の8時であった。
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