継続とは力なり
お馴染みの民宿に到着前、オヤジ達は「雄島」に立ち寄った。雄島は東尋坊と
共に有名な景勝地で、島に渡るための長い朱塗りの橋は、季節を問わず周りの
景観に映える。おだやかな気候だと思っていても、橋を吹き抜ける風は冷たく
ついフードを被ってしまったほどだ。もはや重油が流れ着いた時の様相は微塵
もなく、かつての綺麗な冬の日本海を取り戻していた。民宿に到着して驚いた。
建屋は増築され、別棟にはレストランが出来でいる。駐車場も、建屋の周りに
たくさん増えていた。これを「カニ御殿」と言うのかも知れないが、近年この
手の民宿は経営不振で倒産するところが多い中、立派である。懐かしい顔にも
お逢いし、入浴のあと食事が始まった。正直、もう言葉など何にも要らない。
ただ一つ言えるのは、人生一度は本物の味を経験しておくのは大切である、と
言う事だ。黄色いタグは決してウソをつかなかったし、他の料理も本当に旨い。
前日の宿泊地、山代温泉では少し残念な事があった。夕食バイキングの品質が
落ちていたのだ。特にこの時季売りの刺身がダメだった。ここも石川の友人に
教えてもらい、以前ARDFの仲間たちを案内して大会の帰りに宿泊した宿だ。
今回もその時のメンバーが一人いたが、やはり質が落ちたと言う。以前は部屋
やお風呂はもとより食事も豪華でみんな喜んでくれたのに、とても残念である。
そんな中、三国の民宿は以前と全く変わっていなかった。建物が立派になった
のは、この味が持続出来ているからなのだろう。見掛けが立派になっても中身
が伴わないお店はすぐに消える。「継続は力なり」とはよく言ったものである。