充電式乾電池考
最近、充填式電池の普及はめざましいモノがある。 オヤジが高校生の頃、初めて
サンヨー電機の「カドニカ」、と言うニッケルカドミウム電池を知ったが、永い年数を
経て乾電池の世界も大きく進化を遂げて来た。 一つの物が、急激に普及する場合
それに併せる様に普及する物が必ず、と言ってあるが、それが「携帯電話」だろう。
軽薄短小が必要要素になった充電式電池は、その性質上、時として低品質なもの
が爆発し、火災などを起しているが、それぐらい繊細かつ難しいものなのである。
それは充電電池そのものの性質にある。 皆さんは、乾電池と同形をした、ニッケル
カドミウムやニッケル水素電池に書かれた電圧をご覧になった事はあるだろうか?
一般の乾電池には1.5Vと書かれているが、充電電池には1.2Vと書かれている。
一般的に考えると、普通の乾電池を4本入れて6Vで使用する機器の場合、充電電
池だと4.8Vになってしまう。 これは普通の乾電池がヘタッた時の電圧にも等しい。
ところが、この電圧で通常通り動く電気製品は多い。 もっとも、電圧不足で動かない
ものも中にはあるが、ごく稀である。 この電圧の差は、電池の内部抵抗にある。
電池のプラスとマイナスを電線でショートさせると、電線に無限大の電流が流れる。
理論的にはそうなのだが,乾電池は乾電池自体に抵抗があるので、大きな電流は
流れるが無限大、と言う事はない。 ところが 充電電池自体の内部抵抗は、無いに
等しい、と言っても良いぐらい少ない。 そこでチョッとした事で短絡すると、テレビな
どでよく見る様に火を噴いて爆発する、という事になる。 そんな充電電池を普通の
乾電池と同じ電圧にしてしまうと、内部抵抗が少ない分、製品の中で電気が回り過
ぎて回路を損傷してしまう事になる。 そこで電圧を1.2Vにして調節しているのだ。
チョッとした話しだが、こんな事から電気に対する興味が広がってくれると嬉しい。