私の無線室

  • 28. AT-230
    無線室改装しました。

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2008年6月

2008年6月12日 (木)

阿波の遊山箱

私は阿波の徳島の生まれである。

徳島には昔から「遊山箱」と言う、徳島だけの珍しいモノがある。

「ゆさんばこ」と読み、山に遊ぶ箱と言う漢字から連想される様に、野山に行楽に出掛ける時に

持って行く子供用手提げ弁当箱の独自の呼び名である。 

徳島は江戸時代から木工が盛んで、遊山箱は古くに職人が創り出した、阿波独自の伝統工芸

であり、他県には類を見ないモノである。

持ち手が付いた立方体の箱の1面がオカモチの扉の様に上下にスライドし、開けると中に3段の

小箱が重なって収納されている、塗りが施された木製の弁当箱である。

Yusanbako01 

現在40歳ぐらい以上の徳島県人は、子供の頃に必ずと言っていいほどこの遊山箱の思い出が

あるはずである。  花見や端午の節句にはこの遊山箱に手作りの弁当を入れて貰って野山で

広げたものである。 上段には海苔巻きやバラ寿司、2段目はお煮しめ、3段目は阿波ういろう

や、サンキラの葉に包まれた柏餅が、必ずと言っていいほど入っていた。

Yusanbako03

近年はこの伝統の弁当箱もカゲをひそめて、徳島県人でも遊山箱を知らない人が増えていたが

ここに来てブームが再燃して来た事をNHKの全国版で知って、嬉しくなった次第である。

徳島の食器店や工芸店のインターネットの通信販売でも遊山箱の販売が活発化していると言う

ニュースも見た。 徳島だけに限らず広く遊山箱を知って頂き、家族で行楽に出掛けてお弁当を

広げる、なごやかで会話のある昔の生活を今一度見つめ直して欲しいと願っている。

  Yusanbako02 

2008年6月 7日 (土)

復活のマジック

私の趣味は多い。 手品(マジック)もその1つである。

前職の昭50年頃、「名古屋奇術愛好会」と言う手品の学校に入って月謝を払っていた事が

あった。 師匠は松浦天海さんと言ってマジックの世界では有名な方であった。

手品の基礎からみっちりと指導を受け、様々なテクニックを伝授して貰った。

全ての手品はそれぞれ基本テクニックの集合であり、基本をおろそかにしての実演はタネが

バレる最大の原因になる事は言うまでもなく、連日繰り返して基本を練習した。

コインの掴み方やカードの切り方等、手品師のスタイルも鏡を見ながら繰り返したモノである。

手品の世界の掟として、絶対にタネをばらしてはいけないと言うルールがある。

当時はテレビ等で見る手品のほとんどのタネが解ったモノであるが不思議がる人達にそれを

明かす事が出来ずに苦しい思いをした事を覚えている。

当時は奇術学校に行っていると言う事で、百貨店の手品コーナーに居た実演販売の手品師

の方とも馴染みになり、普通なら手に入らない様なタネや教則本も譲って貰った。

昭55年に転勤で名古屋を離れたのを境に、手品とは疎遠になってしまい長い年月が過ぎた。

その間、Mr.マリックの超魔術や最近ではセロなどの近代マジックが登場し手品界の様相を

変えてしまった。 最近の手品はそのタネが全く解らないのである。 実にすごい進化である。

私が昔に演じていたマジックは、近代マジックと比べると一見子供の遊びの様に感じられるが

実は基本的な技法は何ら昔のモノとは変わっていない事を改めて聞いたのである。

私の気持ちが再燃した事は言うまでもない。 しかし長年のブランクはすぐに人様の前で実演

出来る状態では無くなっていた。 ところがである、幸いな事に若い頃に繰り返し訓練し身に付

けた基本の技法は完全には失っていなかった。 早速に初心者入門用のネタを100円ショップ

で購入し、練習に入った。 最近では手品のタネが100円で買える事にも驚かされた。

押入の奥深くにしまっていたアメリカ製のカード(トランプ)も出して来た。 

現在私は基本からマジックを再スタートさせている。 人様の前で再び実演出来る様になれば

是非、復活のマジックを一度ご覧頂きたいと願っている。

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