中国出張で楽しみだったのは「食事」と「按摩」だった。 今でこそ1日当りのカロリー
は、などと言っているオヤジも大病を患うまでは実によく食べた。 特に中華料理は
好きで、毎回食事は楽しみだった。 日本の中華料理の様に「定 番」と言われる様な
料理は少なく、同じ料理でも行く先々で違った味付けに遭える楽しみがあった。
オヤジが好きだったのは「中華饅頭」で、特に中身を包む皮の方に魅せられた。
街の露店で1個1元(約¥15)ほどで売られているが、何処でも実にきめ細かい生地
の皮で出来ていて皮だけ食べても美味しかった。 もちろん、具も段ボールで出来て
いる、などと言う粗悪感はオヤジの記憶の中には全く無い。 本当に美味しかった。
本場の麻婆豆腐は凄い。 麻婆の「麻」と言う字は 痺れると言う意味で、その役割を
山椒が担っている。 唐辛子の辛さに加え大量の山椒で舌先が麻痺する感覚になる
が、これでないと麻婆豆腐とは呼ばないと言う。 日本は山椒が入ってない麻婆豆腐
が多いので、中国人が日本に来ても食べない理由はその辺りにありそうである。
もう一つの楽しみである「按摩」は、安価に旅の疲れを取り除いてくれたものである。
オヤジの出張は、いつもパートナーの車で大体1日当り300~500Kmを移動した。
乗せて貰っていながら、これが意外にキツくて、1日走っていると足がむくんで来る。
そんな時は夕食のあと「足ツボ按摩」によく出かけた。 足ツボと言っても全身按摩が
セットになっているので、実にお値打ちだ。 90分みっちり揉んで貰っても、地方都市
では40~60元(¥600~¥900)で、お茶やスイカなどのサービスも付いていた。
日本と比較した時、物価の差を一番感じた有意義な時間帯だった事を思い出す。