天竺は遠かった⑥
海外出張の楽しみの1つは、食事である。
出張した国の食事が口に合わないと随分苦労すると言う話しを聞くが、幸い私の場合は
今までの出張国では、苦手で食べられない様な料理には出会っていない。
今回のインド料理も全く問題ない。 2001年の時もカレー料理が連日続いたが、すべて
違う種類のカレー料理で、出張期間中まったく飽きなかった事を覚えている。
そのくらい本場インドのカレーは、その種類が実に豊富である。
一般的な黄色いカレーだけではなくて青豆やホウレン草を食材とした緑色のモノもあって
ナンやサフランライスにつけて食べるインドの「おかず」、総称をカレーと言っても過言では
ないだろう。 特にインドは暑い国なので、スパイシーなカレーは人々の食欲をそそる。
本当に気候と食べ物の関係は、生まれるべくして生まれたモノだとつくづく感じてしまう。
そんなインド料理のスタートはパパドをおつまみにして、キングフィッシャービールからだ。
パパドとは、豆粉から作った薄く丸い板状の生地を直火であぶったセンベイの様なモノで
塩味と、独特のスパイスが、インドを代表するキングフィッシャービールと実に良く合う。
特にインドのビールは良く冷えていて、渇いたノドを潤す至福の一杯となる。
その後は、多数の種類の中からお好みのカレーをナンと細長い品種のライスで食べる。
もちろん、インド料理の定番、タンドリーチキンやカバブも本場の味を味わう事が出来た。
この鶏は段取りに時間が掛かっているのでダンドリチキンだ、など冗談も出て話しが弾む。
インド人の様にゆっくりと、時間を掛けて食事をし、最後もインド人のまねをして、お口直し
にフェンネルと呼ばれる、茴香(ウイキョウ)をカラフルな砂糖でコーティングしたデザートも
試してみたが、これは正直なところ挑戦しなかった方が良かった様だ。
しかし、日本時間で夜中の2時半頃にビールを飲みカレーを食べる経験は、インドより遠く
に旅をした事のない私にとっては奇妙な感じであった。
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